1 自分自身の生涯対策

「相続対策」という言葉が一般によく使われます。
また、「生前対策」という言葉もあります。
これらはある人にとっては財産の分け方だったり、相続の税金の心配だったり、別の人にとっては、今経営している事業の将来のことだったりと、様々です。

また、ご相談を受ける人も、どうしても自分の専門分野からのアドバイスを行いがちです。

だからトータルの立場でアドバイスができる専門家が求められるのですが、相続対策で一番大切なのは、実は対策を考えようとされているご自身への対策です。

もちろん多くの方はある程度のお考えはお持ちなのですが、少々漠然としたままのことがあります。
まずご自身の(同世代の配偶者の方のも含めて)対策をしっかりと立てられておくことが大切です。

そうすればその後の対策が安心して立てられます。

ご家族の構成、健康状態、財産の状態によってご自身の対策は異なります。 まさに百人百様です。

ここでは、ご自身のための対策として、考えるべき項目を掲げます。

詳しくは、それぞれに該当するところをご参考にしてください。

1.生活費の準備

受け取る年金の額も考慮に入れ、20年、30年の間の生計費(ご自身と配偶者の方の)は準備しておきたいものです。
現在60歳代、70歳代の方々の平均寿命は83歳、平均余命は10年から20年。
まだまだ時間はたっぷりあります。
今の境遇は、若い頃からの努力が実を結んだものです。
少なくとも、老後は経済的に安心できるだけでなく、やりたいことができるくらいの余裕があるように、ご自身と配偶者の方のために準備をしておきましょう。

十分な蓄財があれば問題ありませんが、できればリタイア後も継続した収入があれば心強いものです。
遊休となっている不動産があれば、有効活用をお考えになるのもひとつの手でしょう。

sj

2.ご自身の健康と身辺の世話

長寿の時代です。
誰もが心身ともに健康であり続けたいと願っています。
しかしその一方で、万一病気になったときのための準備もしておくべきです。

・費用の準備
・身辺の世話、介護の対応をしてくださる方

1 自分自身の生涯対策

3.ご自身のお住まいについて

高齢になればなるほど、住居は重要なものになります。
現在のお住まいをどうされるのか、将来お子様と同居されることになりそうなのか、心身に支障が起きた場合に子どもに負担をかけないようにするために介護サービス付のお住まいへの入居を考えているか――。
以上のような様々な要素を考えて、ご自身のお住まいを選ぶべきです。

1 自分自身の生涯対策

4.相続税の納税資金準備

色々な対策をとっても、やはり一定の相続税は覚悟しなければいけないという資産家の方々は多くいらっしゃいます。

「相続税納税資金で子どもが困ると思う。親として、出来るだけ自分の預金を増やすようにしています」

こんな方が意外に多いのではないでしょうか?
個別相談でもこのような話を聞きます。

親が一生懸命節約をして子どもの為に残してやることは、子どもにとって有難いのですが、また税金も増えてしまうことになります。
財産を遺す親の側にではなく、実際に相続税を負担する子どもの側に預金として納税資金が遺すよう工夫しましょう。

1 自分自身の生涯対策

2 円満な財産分けのための対策

財産を遺す方と受け取る方との気持と条件が合えば、財産分けはスムーズに進むはずです。
財産を遺す立場の方は、感謝される形で財産を遺してあげるように準備をするのがこの生前における財産分けのための対策です。

1.遺す人の意思(気持ち)を法律的に整えておく

「子どもたちには、よく言いいきかせてあるから…」。よく耳にする言葉です。
これを法律的に有効なものにしておくことこそ、遺す立場として必ずしなければならない義務なのです。

当事務所は「公正証書遺言」の作成をお薦めしています。
公正証書遺言の作成は、一般の方が考えておられる程、難しくも、費用がかかるものでもありません。
公正証書遺言を作成しておくだけで、ほとんどの遺産争いは避けることができます。
法律的に有効な遺言は、親から子どもたちへの最大の「子ども孝行」のプレゼントとなるはずです。

→ より詳しくは、「遺言について」をご参考ください

kh

2.受け取った人が感謝する財産分けを

財産を受け取る人は、それぞれ生活環境も、財産を受け取る背景も異なっています。
このことを配慮して財産分けを行うようにしましょう。

・預金等の金融資産
相続した方がすぐに役立たせることのできる財産です。
それだけに、受け取った預金を日常生活の資金としたいと考えられている方などを中心にした分け方を考えるべきでしょう。

・住居用の土地・建物
同居されている家族に遺される場合が多いと考えられますが、「相続後その住居をどうされるのか」まで視野に入れて考えるべきです。 住居のための不動産は、ある程度の財産価値があるのが普通です。
財産の分け方として、他の相続人の方とのバランスの取り方も考えてください。

・アパート、マンションの相続
先祖から受け継いだ土地がたくさんある、とい+う方のなかには、アパートやマンションを建築し、不動産収入を得ておられる方が少なからずいらっしゃいます。 このような財産は、一般的に相続税の評価額が高く、その分相続税の負担も重くなります。
財産分けにあたっては、多方面からの検討が必要な財産です。

2 円満な財産分けのための対策

3 相続税の納税資金の確保(相続税の節税含む)

相続税が大変な負担になると考えられていることの表れなのか、「相続対策」=「相続税の節税対策」と考えられる方が多くいらっしゃいます。

ここでは、具体的な相続税対策の進め方を説明します。

1.相続税額の概算計算

財産の内容をおききします。

相続税の計算のもととなる、「相続財産評価額」を計算します。

相続税の総額を計算します。

特例を適用することにより、相続税額が増減します。
これは、主に「どの」財産を、「誰が」相続するかによって税額の計算方法が変わるためです。

※ 税理士法人 さくら会計は、できるだけ相続税の負担を少なくする財産の分け方を検討します。

相続税は、相続開始後10ヶ月以内に納めるのが原則です。
現実問題として、その納税資金が、財産を受け取る方の手元に用意できていなければなりません。

不足額があまりにも大きいときは、何らかの対策を考える必要があります。
これが一般に相続税の節税対策と言われているものです。

税理士法人 さくら会計は、ご相談者と何度も打ち合わせをした上で、選択できる節税対策の提案をさせていただきます。

その基本姿勢は以下のとおりです。

・税務上、適正と認められていることをする。
・節税効果だけを考えた無理な提案をしない。

相続税は安くなったが、その代わりに家族関係がおかしくなったり、財産価値が不安定なものに投資をするような提案はいたしません。

2.対策の実行

財産を遺す方の方針が決まったら、その対策の実行に移ります。

特に、財産を遺す人が高齢者の方の場合は、対策は順次すみやかに実行されることをお勧めします。
これは、相続が発生する前の3年以内に相続人が贈与を受けた財産は、相続によって受け取ったものとみなして計算するためです。
詳しくはこちら

・相続税の納税については、延納、物納という制度がありますが、適用するには制約があったり、
 余分な負担がかかります。できることなら、これらの制度に頼らず納税を済ませたいものです。

そのためにも、少しでも早く相続対策を具体的に検討し、実行に移すことが大切です。

・「節税対策向けの商品」、「節税対策専門のコンサルタント」等、
特に資産家の方々を対象とした節税対策のPRがさかんです。
このようなPRに対して慎重になりすぎて、完全に耳をふさぐのは得策ではありません。
必要な情報が入ってこなくなります。
とはいえ、業者のPRをそのまま鵜呑みにするのはリスクがあります。

中立の立場から、親身になって専門家として冷静なアドバイスをしていただける人をつくるべきです。
相談できる相手がいると、心配や不安が無くなり、誤った判断を防ぐことができます。

専門家の方々により差はありますが、相談料はご心配される程の金額ではないことがふつうです。
ぜひ、信頼できる相談相手をおつくりください。