成年後見制度の活用

人は誰でも、病気や事故、年齢を重ねた結果の不可抗力としての認知症、知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が不十分となってしまう可能性があります。
このような状況になってしまったときに、財産侵害を受けたり、人間としての尊厳が傷つけられないように、その人を法律面と生活面で支援する制度が成年後見制度です。
成年後見制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類があります。

任意後見制度

ご自分の判断能力が十分であるうちに、将来に備えて信頼できる後見人をご自分であらかじめ選んでおく制度です。
ご自身と選ばれた方とは公証人の作成する公正証書により「任意後見契約」を結ぶこととなります。
そして、将来、判断能力が不十分となってしまった場合に、この契約が発効します。

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法定後見制度

前もって任意後見契約によって後見人を指定していない場合に、病気や事故によってご自分の判断能力が不十分となったときに、家庭裁判所が成年後見人を選任する制度です。
ご本人の判断能力が高い順に「後見」、「補佐」、「補助」と分かれています。

相続の生前対策としては、「被相続人の判断能力が損なわれた場合」と「相続人の判断能力が損なわれた場合」に関して、成年後見制度を活用することが考えられます。

「被相続人の判断能力が損なわれた場合」のリスク

被相続人自身が自分の財産を処分することができないため、望んだ財産の分け方ができず、また、相続人候補である親族も、被相続人の財産を処分したり、活用することができません。
そのため、色々と計画していた生前対策などが行えなくなってしまいます。
また、被相続人の判断能力が不十分なことにつけ込んで、悪意ある第三者によって、すでに作成していた遺言が取り消されてしまうことも考えられます。この場合、せっかく公正証書遺言を作成し、遺言執行者を指定していても、遺言が無効になってしまうことも考えられます。

「相続人の判断能力が損なわれた場合」のリスク

遺産分割協議に関し、判断能力が不十分な相続人の方を除いた形で行なうことも多く、その方の相続分を放棄する形で分割協議がまとまってしまうこともあります。
また、判断能力が不十分な相続人が遺産分割協議に参加しても、後に判断能力がないことを理由に無効とされる恐れがあり、完全に有効な遺産分割とはいえません。

いずれの場合も、判断能力が不十分な状態になってしまってから対策を取ろうとすると、法定後見制度を利用することとなり、手続に数ヶ月かかってしまいます。
その間は計画していた相続対策を進めることができませんし、相続税申告も期限内に済ますことができないため、税務上不利な結果にもなります。
万全を期すなら、ご自分と、確実に財産を遺したい相続人の方に関して、任意後見契約を結んでおくべきです。

後見人には、信頼できる親族・友人の方と同時に、当事務所の税理士を選任したいただくことも可能です。
貝原会計事務所では、以上の不安を解消するため、任意後見制度を活用してお客様の相続計画をサポートいたします。
相続の確実な実行をお望みの方は、ぜひご一考下さい。

税理士法人 さくら会計のサポートについて

判断能力が不十分な状態では、銀行からの預金の引出しや老人ホーム等の介護施設への入居もできず、日常生活に不便をきたします。相続手続のためだけでなく、このような状態になった時のご自身の生活の質を高めるためにも、成年後見契約を結ばれることをおすすめします。

税理士法人 さくら会計として、成年後見契約を受託させていただくことができます。
ご本人様と任意後見契約を結ぶ際に、間違いのないように以下のことについて決定します。
1.任意後見人になるのは誰か
2.任意後見人がご本人様の代わりにすることは何か
3.任意後見人の報酬はいくらか

ご本人様の代わりにできることは、たとえばこのようなものがあります。

(1)「不動産の管理・売却の代理」

生活費を確保し、介護が必要になったときなど、老人ホームに入るための資金を得ることができます。

(2)「介護契約・施設入所契約・医療契約などの法律行為の代理

将来の施設への入所するとき時や介護・医療行為を受ける際に、前もって自分の希望する条件・環境を決めておくことができます。

(3)「日常的な収入・支出や、年金などの金銭管理の代理」

毎日の食事などの生活費に無駄なお金をかけないようにすることができます。

(4)「役所などでの諸手続の代理」

住所や名義など、変更をスムーズに行うことができます。